ちゃんと外してますか?
ちゃんと外してますか?
クリーニングに出したら必ず透明のカバーがかかって帰ってきますよね。
店頭では必ず外して保管くださるようにお伝えしてお返ししています。
クリーニング店がつけているカバーはあくまで運搬用なんです。
皆さんは,
本当にちゃんとカバーを外して保管していますか?
「だってもったいないやんか!」
「カバーかけてた方がホコリかぶらへんやん!」
「絶対その方が綺麗し!」
(関西弁💦)
などなど、皆さんからお聞きする、カバーを外さない理由は、こんなところでしょうか。
クリーニングから帰ってきた品物は、カバーをかけていた方が変色しやすいんです!
その原因は
ガス退色です。
では説明していきますね。
その前にまず当店であった事例をご覧下さい。
ナイロン製のコートです。
襟と裾の部分がグラデーションで変色しているのがお分かりでしょうか?
また、襟の裏は変色していません。
これが典型的なガス退色の状態です。
ここで分かりやすい図があったので説明します。
イドカバネットというサイトから拝借しました
図のように繊維が、Noxガスや亜硫酸ガスなどを吸収すると、酸化作用や還元作用受けて染料が分解して変色します。
窒素酸化物(Noxガス)、
↓↓↓↓↓
車などの排気ガス、家庭のコンロ、ストーブ等
硫化水素(亜硫酸ガス)
↓↓↓↓↓
僅かに残ったクリーニング溶剤が蒸発する時に出るガス
ホルムアルデヒド(図にはないですが)
↓↓↓↓↓
住宅の建材などに使われる接着剤など
が、発生源です。
ガスの通り道は下図のようになります。
Noxガスは繊維に水分を含んでいると特に吸着しやすくなる性質を持っています。
例えば、スキーをして濡れた後、そのままカバーをかけて保管、なんてことをすると・・・
いかがですか?
それでもまだクリーニング店の透明カバーを掛けたまま保管しますか?
【この記事を書いている人】
平櫛 貴夫
(毎日屋クリーニング店 店主)
兵庫県尼崎市でクリーニング店を営んでおります。
地域の方から頼りにされ、地域に恩返しできるクリーニング店を目指し、「洗い」と「仕上げ」にこだわりを持って運営しています。