ただ、置いとくだけで?!
ただ、置いとくだけで?!
そう、置いとくだけでもどんどん劣化は進みます。
それは、樹脂。
キッチンの扉の取っ手などに掛けておいた輪ゴムが、使おうと少し引っ張っただけでぷちっと切れたっていう経験ありますよね!
これも原因は同じです。
まず一枚の服の画像をご覧ください
中綿ジャンパーがライナーになったどこにでもあるハーフコートです。
ところが、ジャンパーの裏から見て、背中部分を拡大すると、
黒くまだらになっているのおわかりでしょうか?
これは裏側のポリウレタンコーティングが劣化して部分的に剥がれているので、まだらに見えています。
日本国内の気候(特に夏場の高温多湿)では約3年で劣化が始まると言われています。
これもほぼ同様の事例です。
コートなどによく使われているトグルボタンのループです。
表面のコーティングが剥がれています。
ウレタンが劣化すると現れる現象として、表面がベタついてきます。
これが劣化のサインです。
この時点で当店にご相談くだされば特殊復元加工できるものもありますので、店頭でご相談ください。
最近はあまり使われていませんが、似たような素材で塩化ビニールがありますが、
こちらは劣化するとどんどん硬くなります。
また、油分にとても弱く、ドライクリーニング1回でバリバリになってしまいます。
このブログで何度もお伝えしている主にウレタン樹脂の劣化ですが、
冬物衣料に特に多く使われています。
空気中の水分と反応して(加水分解と言います)自然に劣化していく素材なので、これを止めることはできませんが、
御手入れをすることで、少しは寿命を延ばすことはできます。
汗や汚れが付いたまま保管していませんか?
特に油分がついたまま長期間保管していると一気に劣化が進みます。
去年の冬着用したままクリーニングせずに、まさかこの冬も着るんでしょうか?
今からでも遅くありません。
ちゃんとクリーニングしてから、この冬のオシャレを楽しんでくださいね。
【この記事を書いている人】
平櫛 貴夫
(毎日屋クリーニング店 店主)
兵庫県尼崎市でクリーニング店を営んでおります。
地域の方から頼りにされ、地域に恩返しできるクリーニング店を目指し、「洗い」と「仕上げ」にこだわりを持って運営しています。