「ニットを家で洗ったら縮んでしまいました・・・」
「ニットを家で洗ったら縮んでしまいました・・・」
「ニットを家で洗ったら縮むんですけど、縮まない方法を教えてください」
とお問い合わせがありました。
ニットと言っても色々ありまして、ニットのどういう品物でしょうか?
「あっ、セーターです、
ユニクロで買ったカシミヤのセーターです。家で洗ったら縮んでしまったんです」
どんな洗い方をしましたか?
「洗濯機のドライコースで洗いました。おしゃれ着洗い洗剤を使いました」
と、こんなやり取りでした。
はい、その洗い方では縮みますよ。
ユニクロのカシミヤセーターは[手洗い]の表示が付いていますが、洗濯機で洗ってしまえば縮みます。
どうせユニクロ製品だからって思っていませんか?
ユニクロ製品であっても、カシミヤは立派な獣毛製品です。
たとえドライコース、手洗いコースであっても洗濯機で洗えば揉み、コスレが発生します。
その時に隣同士の繊維同士が絡み合ってフエルト化して縮みます。
必ず本当の[手洗い]をしてください。
さあ、洗ってみましょう!
① セーターをクリーニングネットに入れてください
まず、洗面器に入る大きさに綺麗に畳んでください。
その状態でクリーニングネットに入れてください。
② 30度以下のお湯を作ります
洗面器に30度以下のお湯を作ります。
規定量かそれ以下の洗剤を投入してください。
洗剤の入れすぎは百害あって一利なし、少なめに入れるのがコツです。
洗剤はおしゃれ着洗い専用の洗剤か中性洗剤を使用してください。
間違ってもいつもの弱アルカリ性洗剤を使わないでください。
その際、水温は必ず「30℃以下」を守ってください
冬場の水道水は10℃を下回る日が多く、手を入れるのもつらいと思います。そんな時は、少しお湯を足して温度を上げると作業がしやすく、洗浄力も高まるのでおすすめです。
ただし、水温は「30℃以下」を守ってください。30℃を超えると、セーターが色落ちしたり、縮んだりすることがあるので、注意してください。
水温を「適温」に調節する方法は、40℃(お風呂に入る時の温度)のぬるま湯2に対して、真冬の水道水を1の割合で混ぜると、25℃前後に調節することができます。牛乳パックを利用すると便利です。
温度を確かめる時の「目安」ですが、肘をつけて「水が温かい」もしくは「ぬるい」と感じる時は、水温が30℃を越えています。28℃前後の水は、温かさも冷たさも感じない感覚です。
③ 約15回両手で押し洗いしてください
作った洗剤液を入れた洗面器の中セーターをに入れ、往復4秒ぐらいのゆっくりしたスピードで約15回両手で押し洗いしてください。
④ 水を入れ替えてすすいでください
終わったら洗剤液を捨て、新しい水に入れ替えて約10回、同様に押し洗いしながらすすいでください。
水が綺麗になるまで2回以上行ってください。
⑤ 柔軟剤を数滴垂らしてすすいでください
最後のすすぎに柔軟剤をほんの数滴洗面器に垂らしてすすいでください。
いいですか、数滴でいいんですよ!
柔軟剤の入れすぎはかえって風合いを悪くすることが多いです。くれぐれも注意してください。
⑥ バスタオルを使って脱水してください
脱水は洗濯機で脱水のみできる場合は約1分またはそれ以下で十分です。
綺麗絞る時はネットのまま軽く押して絞って、後はバスタオルにくるんで、バスタオルに水分を移すような感じで脱水してください。
⑦ 平たく置いて干してください
これから干すのですが、
ハンガー干しは厳禁です。型崩れの原因になってしまいます。
家によくあるものを利用するとすれば、
五枚程度干せるバスタオルハンガーの上に広げて、平たく置いてください。
何もない場合はテーブルの上に乾いたバスタオルを広げて、その上にセーターを広げておいてください。
時間はかかりますが、それだけでも結構乾きますよ。
⑦ 完全に乾いたら仕上げです
アイロン台の上にシワの気になる場所を乗せてセーターに蒸気を当てながら押し付けずに軽く軽く横に移動するだけの感じで整形していきます。
全体にしわがなくなったら、出来上がりです!
いかがでしょうか?
あくまで、自己責任でお願いいたします。
これで落ちない汚れはクリーニング屋さんの出番ですよ。
絶対に無理して揉んだりしないでくださいね。
部分的に縮んでしまいますよ!
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【この記事を書いている人】
平櫛 貴夫
(毎日屋クリーニング店 店主)兵庫県尼崎市でクリーニング店を営んでおります。
地域の方から頼りにされ、地域に恩返しできるクリーニング店を目指し、「洗い」と「仕上げ」にこだわりを持って運営しています。
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