クリーニング屋さんの事件簿!?
クリーニング屋さんの事件簿!?
クリーニングの仕事をしていますと、
はっきり言って、クレーム、事故、その他はやはりあります。
クリーニング組合の発行する月刊情報誌に、組合員皆で問題を共有するためにそういったクレーム、事故の事例を載せています。
その中でもあるある的な事例をこれからちょくちょくここに上げていきたいと思います。
まず第1弾として。
パーマ液での変色。
情報誌からのコピーなので見にくいですね。
また、モノクロで小さくてすみません💦
拡大部で見ると、
首の付近が部分的に変色しています。
これがなぜクレームになるかというと、
クリーニングに出した時点では変色も何も起こっていません。
そもそもお客様はパーマ液が付着したことも認識がありません。
パーマ液が付着した時は変色もなにも起こっておらず、クリーニングから帰ってから変色が発見されます。
ですから、
「クリーニングから帰ったら、こんな風になっている!」
と、クレーム、苦情になるわけです。
ここからちょっと専門的になりますが、よかったらお付き合いください。
まず、原因は、
パーマ液にはご存知のように2種類の液があります。
第一液は、
チオグリコール酸アンモニウムが主成分です。
アルカリ性です。
あの独特の匂いの元です。
還元漂白作用があります。
第二液は、
臭素酸ナトリウムが主成分です。
酸性です。
粉末の酸素系漂白剤と同様に酸化作用、漂白作用があります。
そして今回の素材はキュプラ。
セルロース系の半合成繊維で、酸にもアルカリにも変退色を起こしやすい素材です。
クリーニングすることによる熱や溶剤などの作用で上記の薬品の反応が促進され、変退色が起こり顕在化するんです。
おわかりになりましたでしょうか?
やっぱり難しくなっちゃいましたね💦
そこで、
とにかく対策は、
美容院にお洒落していかない!
えっ、それだけ?
そうです。
男性が散髪屋さんに行く時は、滅多にお洒落なんてしていきませんが、
どういう訳か、女性はオシャレして美容院に行きます。
担当の美容師さんがいくらイケメンでも(笑)普段着の汚れてもいい服で行ってください。
それでもおしゃれ着にパーマ液がついてしまったら、どうするか。
水洗いが可能な品物でしたら、できるだけ早くご家庭で水洗いしてください。
今回の苦情クレーム例のように、水洗いできない商品は、
ウェットクリーニングをしてくれるクリーニング店に持ち込んでできるだけ早くウェットクリーニングをしてもらってください。
その時かならず、パーマ液が付着したと伝えてくださいね。
【この記事を書いている人】
平櫛 貴夫
(毎日屋クリーニング店 店主)
兵庫県尼崎市でクリーニング店を営んでおります。
地域の方から頼りにされ、地域に恩返しできるクリーニング店を目指し、「洗い」と「仕上げ」にこだわりを持って運営しています。